出産は不安なことばかり。
特に初めての出産ならなおさらです。
私は今回2度目の出産でお産の流れは大体わかっていたものの、アメリカで産むのは初めて、しかもコロナ禍ということも相まって不安要素だらけでした。
お産というのは本当に人それぞれ異なります。
それでも病院到着からどんな流れで進んでいったのか、前もって知っておくだけでも気持ち的に違うもの。
コロナ禍だど何がどうなるのか。
私の一例ではありますが同じように不安を抱える妊婦さんが少しでも心に余裕を持ってお産に臨めるよう、そして素晴らしい時間となるよう参考にしていただけたら嬉しいです。
私の出産時のスペックはこちら→実録 アメリカで妊娠&出産 産婦人科の探し方
思いもよらない破水からのスタート
38週の検診での出来事でした。
私は38歳で高齢出産になるので、40週まで胎盤機能が十分に機能しない懸念があるという理由から39週に誘発で計画分娩をする方向でドクターと話していました。
クリニックには患者しか入れないので、駐車場の車の中で待機中の夫とはLINEのビデオ電話で中継。
この日も翌週の入院の流れなどを確認した後
「じゃぁ内診しましょう」
ということで診察台で横になり、ドクターの手がグググっと入っていったその時。
「子宮口は今、4cm開いているわ・・・Wow!」
とドクターが言うのと同時に生ぬるい何かがじゅわぁ~っと出るのを感じました。
も、もしかしてこれって・・・
「Water broke!
You can go to hospital soon!」
(破水したわ!このまますぐ病院行ってね!)
え、マジで・・・。
早々にドクターは去っていき、診察室にポツンと残された私・・・。
こちらがその破水現場。
結構な量が出て、診察台の下まで垂れてる・・・。
突然の妊婦生活の終わりが見え始め
全く出産するという心の準備もできていないまま待っていると
戻ってきたナースに巨大な防水シートを折りたたんだ簡易パッドをあてがわれ、その上から服を着
「Good luck!」と見送られて病院(出産する場所)へ向かいました。
入院手続き(破水から30分)
出産する病院とは大きな総合病院です。
私の場合は通常の検診を受けているクリニックのすぐ近くにありました。
クリニックと提携されていて、グループ内のドクターがシフトでこの病院に入り分娩を担当するという仕組み。
計画入院以外は救急入口から来るようにと事前に説明を受けていましたが、陣痛もまだ無く、スタスタと元気に歩いているのに救急入口に向かうのもなんだか滑稽(笑)
1人だけ付き添いが認められていたので、ここは夫と共に入ることができました。
新型コロナウィルスの影響で当たり前ですが病院への出入りにも制限があり、入口で検温とコロナの症状が無いか質問を受けました。
え、チェックそれだけ?
もちろんマスク着用。
事前の説明ではサージカルマスクという指定もありました。
持っていない場合は病院でも準備されているとのことでしたが、私たちは常にサージカルマスクを着用していたので問題無し。
その後、産婦人科フロアへ向かい、産婦人科セクション入口のインターホンを鳴らして中に入いれてもらい受付カウンターへ。
ここでは身分証(運転免許証)と保険証の提示が求められます。
最終生理開始日(え、今ここでそれまた確認?)、出産予定日、担当ドクター名の確認をされ、3~4枚にわたる誓約書のような書類にサインを求められました。
面白かったのがまだ生まれていない赤ちゃんの分の誓約書にもサインを求められたこと。
代筆で夫が夫の名前でサインする形だったんですけどね。
LDR室へ(破水から50分)
受付が済むとナースに案内されたのはLDR室。
LDRとは
Labor(陣痛)
Delivery(分娩)
Recovery(回復)
の略で、その名の通り陣痛から分娩後の回復まで過ごせる部屋のこと。
私は1人目の出産経験から分娩て手術室みたいなところでするんじゃないの?と思っていたので、あの陣痛の中「いてててて」となりながらベッドを移動しなくて良い喜びを感じると共に、実際来てみるとえ、マジでここで産んでいいの?とも思いました。だって・・・
こんなにきれいで居心地良さそうな一見普通の入院部屋なんですもん。
ここで血ドロドロ流れるのありなの?というのが率直な感想(笑)
分娩準備
着替え
全て脱いで入院着に着替えるようナースから指示があり、全裸になったのは良いもののどうやって着るの?という服であたふた・・・。
そもそも袖がない。どうやら袖はホックで留めて筒状にするらしい。
そしておぼっちゃまくんに出てくるびんぼっちゃまくんスタイルなので後ろがどうなっているのかただただ不安な服でした。
前から見ると後ろが開いているとは思えない仕上がり。
点滴(破水から1時間50分)
しばらくするとナースが戻ってきて点滴のラインを手首の少し上、手の甲側に刺されました。
これは薬ではなく水分補給目的とのこと。
手を動かす度に地味に痛い・・・。
子宮収縮測定機装着
続いて妊娠終盤に行うNST(ノンストレステスト)と同様、お腹にベルトを2本巻かれ測定器を装着されました。
これでどのくらいの間隔でどれほどの大きさの陣痛の波が来ているかチェックできます。
モニターは枕元の少し後方にあったのでベッドに横になりながら見るのがちょっと大変でした。
自分では全然痛いレベルではないと思っていても機械が陣痛と察知していたりもして、しかもそれが徐々に規則的に、そして間隔がちょっとずつ短く、振れ幅も大きくなっていきました。
分娩担当ドクターと顔合わせ
次に我が子を取り上げてくれるドクターがやってきました。
私のドクターが所属しているグループのシフトで毎日誰かは病院で分娩を担当する仕組み。
この日は私のドクターよりもキャリアのある女性ドクターが担当でした。
彼女とはここで初めての顔合わせ。
簡単な挨拶をし、私のこれまでの経過などは共有されていて把握してくれているから安心してねと言われました。
そして「エピドラル(麻酔)使う?」という質問も。
これは既にナース含め4人くらいから聞かれていましたが私は決めかねていて「もうちょっと考える」と答えると「OK!」とのこと。
「でもギリギリすぎると間に合わないからね(笑)」とだけ忠告してドクターは去っていきました。
ギリギリがどれ程のものなのか・・・
これが後々ドタバタ劇を繰り広げる要因になろうとはこの時は知る由もありませんでした。
PCR検査&血液検査
てっきり病院の建物に入る前に新型コロナウィルスの検査をするのかと思っていたのですが、このタイミングでの検査でした。
鼻の奥を綿棒でグリグリされること数秒であっという間に終了。
続いて採血は確か2本。
検査結果は1時間半ほどで病院のアプリに配信されました。
私はPCR検査結果が陰性だったから良かったものの、もし陽性だったらこの時点で判明じゃ遅いのでは・・・といらぬ心配をしたり。
そんな事考えられるほどまだまだ陣痛レベルは余裕で生理痛くらいの痛みでした。
ランチを食べる(破水から3時間)
「ランチをオーダーして食べてね」と去り際のナースから言われたので、メニューから好きなものをチョイスし内線電話でオーダー。
恐らくコロナ対応なのだろうとは思いますが、あまり外との行き来をせず済むようにという配慮なのか付き添いの夫の分も頼めるとのことだったので毎回2食ずつ頼みました。
通常だと病院のカフェテリアを利用できるようでしたが、もちろん閉まってるのでこれは非常に助かりました。
まぁ、その分、余計な請求をされるのでは・・・という不安は付き纏ってましたけども(汗)
組み合わせの仕方がよくわからなかったのでオーダーしてくれる夫に適当にお任せしたらこんな感じのが届きました。
花の飾りはいらないから、何かもっと乗せてくれ・・・
全く腹が満たされぬ・・・
もっと何か食べたい・・・
けど食べ物が何もない・・・
病院内はカフェテリアも閉まってる・・・
オワタ・・・。
腹が減っては戦ならぬ分娩はできぬ!!!
実はこれが私が無痛分娩にするか悩んでいた最大の要因。
麻酔薬を使う場合は固形物の摂取が制限されるのです。
この時点での陣痛は4~5分間隔。痛みもまだまだ余裕。
(痛みの感じ方は本当に人それぞれなので参考までに・・・)
まだ何か食べたいのに何も無いという虚しさを抱えながら、ただ時間が過ぎ陣痛が強まるのを待っていたのでした。
出産を終えて振り返ると、この余裕ぶっこいてたこの時の自分を問いただしたいです。
「おい、この段階で無痛の麻酔入れてもらっておけよ!」と。
この後ドタバタ劇が起こる事をまだ私は知る由もなく、呑気にSNSに興じていたのでした。
後編へと続く・・・。